2022
09/07
水
『南法華寺』(みなみほっけじ)の2回目になります(^^)/
前回は「多宝塔」までを見てきましたが、続いては更に高い位置にあります「慈眼堂」です。色合いは「多宝塔」に似て朱色でまとめられています。
「澤市投身の谷の横に、江戸時代に建立された阿弥陀堂がありました。
宝暦元年(1751年)に建立されたと寺の記録には記されております。本尊は阿弥陀仏が奉られたり、或いは時代によっては観音堂として、壷阪の伽藍の一翼を担った記録もあり、江戸時代から明治・大正時代の壷阪寺の主要な御堂であったことが解ります。
しかしながら、御堂の建立場所が山間の湿気にさらされる場所であることから、御堂の傷みは激しく、昭和四十年代の初めには屋根の半分を取り替えるなど、様々な処置がなされてきました。
平成十六年秋には抜本的解決策を見つけるため、試験的に屋根の構造調査等を行った結果、予想以上に酷く痛んでいることが判明しましたので、解体修理を行うと共に、平屋の御堂にしては、立派な大柱と先般参拝通路新設のため取り壊した回廊の部材を有効利用するため、二層目に阿弥陀堂にあった阿弥陀仏を奉り、初層には平成二十三年の澤市開眼三百五十年を記念して創られる夫婦観音像のご分身を奉り、新しい御堂を「慈眼堂」とします。堂内にはインド・ムンバイ在住の画家カーマット氏によるお釈迦様の仏伝図を揚げ、お釈迦様が説く「慈悲(じひ)」を考えて頂き、思いやりの心を深く広くして頂きたいと思います。
建立の際は、古い木材・瓦も無駄にすることなく製材させて頂き、天井等は洗浄することにより往時の鮮やかさを復元しています。江戸の人々と昭和の人々と平成の人々の手が時代を超えて合わさり、建立された「慈眼堂」です。」
続いて現れたのは「三重塔」です。明応六年(1497)の再建で、国指定重要文化財となっています。
1枚目は「慈眼堂」から見た「三重塔」西面側をになります。2枚目は「禮堂」前から見た北面側になります。
「塔は床縁のない古様で、四天柱礎石に白鳳時代ごろの心礎を使用している。
戦国大名越智氏によって建立されたと思われる。越智氏はその後、壺阪寺に立て籠もるが、武運なく吉野に落ちのびた。
その時、寺は火に包まれ、殆どの御堂は焼失したが、この塔だけは兵火を免れた。
以来、火難除けの塔、塔内にある大日如来も火難除けの仏として、信仰されている。」
多宝塔と同じく、特別拝観により初層開帳され、御本尊の大日如来を見ることができました。
写真の開帳部分は南面側となります。

「三重塔」前から見ている、国指定重要文化財の「禮堂」(れいどう)です。この「禮堂」の後ろ側に御本尊が祀られている「八角円堂」がくっついています。
入口上にある「禮堂」の扁額には「普照堂」の文字が書かれています。
「禮堂」の東側に納経所がありました。ここで御朱印をいただきます。
眼病封じ祈願の祈祷も色々あるようです。
「壺坂観音は眼の観音様として親しまれております。一条・桓武天皇も眼の病に苦しまれた時に祈願されました。又、お里・沢市の壺坂霊験記ゆかりの観音様でございます。当山ではこの観音様のご宝前にて、朝夕古くから伝わる秘法を修し皆様の眼の健康を祈願しております。」
「禮堂」の東側から中に入ると正面に不動明王像が安置されていました。
「この御堂は本尊を礼拝するため建てられた。当寺の創建当初から、建てられていたが、三度被災している。1096年に焼失するが、1103年には再建された。その後、再び鎌倉時代の初期に焼失。直ちに再興されるが、室町時代の初期に焼失し、再建されたと推測される。江戸時代には、模様替えなど大改装がなされ、御堂の規模も縮小された。昭和の解体修理時に行われた地下発掘調査並びに残存していた部材から、室町時代の御堂の姿が判明し、御堂の大きさ等を室町の姿に戻して再建されている。」
「禮堂」内は天井も高くかなり広い感じしました。
御本尊の十一面千手観世音菩薩は「禮堂」に繋がっている「八角円堂」内に安置されています。
特別拝観と言うことで「壺阪観音御身拭い参拝」が500円でできたので、手拭いをもらい御本尊を御身拭いして参りました。
「八角円堂」の縁側よりの眺望です。雨がなぁ…
創建は大宝三年(703)の「八角円堂」ですが、再建されているようで文化財の記録はありませんでした。
「本尊十一面千手観世音菩薩を祀る八角形の御堂。現在の八角円堂は江戸時代の再建と言われる。八角堂の著名な遺構としては法隆寺東院夢殿・栄山寺八角堂・興福寺北円堂などがある。壷阪寺の本堂は日本で初めて建立された八角堂ではないかという学説も出ている。」
内観でのお参り後は外に出て「禮堂」と「八角円堂」が写る場所を探しましたが、廻りが木や山の斜面となっているため、あまり良いアングルはありませんでした。
「普照殿」と書かれた西国三十三所の御朱印
場所:南法華寺(壺阪寺)





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