2022
04/10
日
岡寺(龍蓋寺)を離れ次に向かいましたのは、数㎞北西の明日香村飛鳥に鎮座する
『飛鳥寺』(あすかでら)です(^^)/


境内入り口前に「遠路ようこそ飛鳥路へ!」と題して住職謹記が書かれていました。
「現在の本堂は古えの中金堂(一塔三金堂)の位置に相当し本尊飛鳥大佛は千三百九十有余年間そのままに座したまうは奇跡の存在といえよう。
平安朝まではより以上に膨張し中世以後天災地変、自然崩壊のため境内は1/20に縮小されたが、この長閑な青垣山こもれる風景に麗しい殿堂があった昔を偲べばうたた感慨無量といえようか。
聖徳太子は橘の藁小屋で生まれたまい、大陸の先生に先進国の学問を受け、その粋を取って国民の守るべき十七条憲法を示されたのがこの本尊に誓ってのことであった。
蘇我馬子が決戦の暁、強引に飛鳥寺に着手したことは必然的に飛鳥文化の扉が開けゆく固い約束にもなった。即ち国家数千年の大計をを果し得たことは権力の野望を充した一面見事な光彩を放ち得たといえよう。~」
長いので前半部分のみ書かせていただきました。<(_ _)>
上の謹記の横には「飛鳥大仏開眼1400年」と書かれた御触書がありました。
「推古天皇13年(605)日本最古の金銅丈六釈迦如来像の造立が発願され、同天皇17年(609)に開眼供養されてから1400年目にあたります。中世の火災によって損傷されているものの、今以って元の位置に端座し給う日本の歴史的尊像であります。」
「日本最古の~」と謳われると、是非見たくなりますよね~
山門は医薬門で本瓦葺き切妻造りと豪華ですが新しそうです。
境内入り口の山門前には「飛鳥大佛」と刻まれた石碑があります。
「飛鳥大仏標石」とあるようですが、下記のように書かれています。
「江戸時代の寛政四年(1792)飛鳥寺参拝の道しるべとして彫刻された優秀な文字で台石は飛鳥寺創建時(588-1400年前)の礎石を用いている。」
江戸時代は五街道が整備されていますが、それに伴って伊勢神宮参詣などが盛んに行われたようなので、ここ飛鳥寺も江戸時代には人気があったんでしょうか?(^^)/
降り棟の鬼飾りがかなり豪華です。入口右には「飛鳥寺」の表札があり、左には「新西国第九番霊場、聖徳太子第十一番霊場」の札が掛かっています。
入口入って正面右に「本堂」があります。本堂入口の横には拝観受付があり、大人350円で拝観することができます。
境内は全体に白砂が敷かれ、所々に樹木を配し庭園を形作っています。
本堂は本瓦葺き寄棟造りとなっておりました。
「飛鳥寺略縁起」には、
「崇峻天皇元年(588)蘇我馬子が創立した日本最初の本格的寺院であり、寺名を法興寺、元興寺、飛鳥寺(現在は安居院)とも呼んだ。
本尊飛鳥大仏(釈迦如来)は推古天皇十三年(605)天皇が詔して鞍作鳥仏師に造らせた日本最古の仏像である。
旧伽藍は仁和三年(887)と建久七年(1196)に焼失し、室町以降は荒廃したが寛永九年(1632)と文政九年(1826)に再建され今日に至っている。
現在は真言宗豊山把に属し、新西国第九番、聖徳太子第十一番の霊場でもある。」
と、書かれています。上記のように「安居院」が正式名で、山号の「鳥形山」を併せて「鳥形山安居院」が正式名称のようです。真言宗豊山派の寺院です。
本堂入口から中の拝観に進みます。
因みに、受付に御朱印帳を預け御朱印は拝観中に書いていただけます。
本堂内の全景です。正面の須弥壇に安置された仏像が、御本尊の「飛鳥大仏」である釈迦如来像となります。国の重要文化財となっています。
飛鳥大仏は坐像ですので、座った状態で像高275.2cmあります。これが立つと一丈六尺と言われるお釈迦様の大きさと言われる基準以上あるので大仏と呼ばれます。
御本尊の左手には「聖徳太子立像」と、右手には「阿弥陀如来坐像」も安置されています。
本堂の中からしか見られない庭園がありました。更に奥には仏像や陶器などが展示されたブースもありました。
中の拝観を終え、境内の西側にありましたのは「思惟殿」(しゆいでん)がありました。新西国霊場の御本尊であります「摂観世音菩薩」が祀られています。
境内南西角に、袴腰付きの「鐘楼」がありました。
「蘇我入鹿の首塚」と書かれた案内があったので、西側門より外に出ます。
「蘇我入鹿の首塚」には、お墓のような石積みがされており献花もありました。
蘇我入鹿は7世紀前半に権力を振るった豪族で、その権力は皇室行事を独断で操ろうとしたりするほどだったそうです。入鹿は次天皇に推す皇子のライバルだった中大兄皇子(天智天皇)と中臣鎌足(藤原鎌足)らによって暗殺されました。(乙巳の変)。かなり衝撃的な事件だったそうです。
入鹿の首塚は飛鳥寺から西へ80mほど、入鹿が邸宅を設けたという甘樫丘を望む場所にあります。暗殺されたときに首が飛んで行き、供養するために埋められた場所とも言われています。
ボクの地元にある寺院と変わらない雰囲気でしたが、歴史の深さには感嘆した寺院でした。
御朱印と御朱印帳です。御朱印帳表紙の字も書いてもらいました~(^^)/
場所:飛鳥寺





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